■ H22.6.28 感染制御看護師要請プログラムセミナー
今回は本プログラムの一環として講師の今中聡先生をお招きし、セミナーを開催いたしました。
今中聡先生は、S.C.A.T JAPANにおいて特殊災害医療チームの一員として実際の災害現場において活躍される傍ら、全国各地で実施されるセミナーでの講演、防災訓練のコーディネートやアドバイザーなど、幅広く精力的に取り組んでおられます。
日 時 平成22年6月28日(月) 13時~16時
場 所 久留米大学医学部看護学科A棟2階 講義室1
テーマ 特殊災害への対応(細菌アウトブレイク・化学物質・放射線)
講 師 今中 聡 先生
(S.C.A.T JAPAN 事務局長 英国スタフォードシャ救急局S.C.A.T(特殊災害医療チーム))
講義風景
医療機関における除染
医療機関における除染活動は、自衛隊や消防レスキュー隊の行う除染とは異なるものである。
バイオテロに対する防護について
- 細菌の種類、濃度、あるいは白い粉の化学テロかもしれない
- ホットゾーンにはレベルAが必要
- レベルCの防護服には高性能の微粒子フィルターが必要
欧州基準P3クラス、米国基準P100(同じ程度のクラス)
個人防護装備
(personal protective equipment:PPE)
レベルA-自給式呼吸装置を防護服でつつみこむ形レスキュー隊員用
レベルB-自給式呼吸装置 皮膚への防護レベルは低い
レベルD-通常の作業服、感染防止服レベル
レベルC PPE
- 原因物質や濃度が判明している
- フィルター式呼吸器(長時間)
- 耐薬品性防護服(化学)、手袋、ブーツ
- 除染活動に適していること
化学災害の脅威
- 地下鉄サリン事件によって現実のものになったテロリストによる化学テロ
- 毒性化学物質製造工場、貯蔵倉庫の災害
- 毒性化学物質のトラック、鉄道輸送
化学災害におけるゾーニング
演習:TST防護服ユニット装着
TST防護服ユニット内容品
1) バッテリーケースに単2電池6個をセットする。
2) バッテリーカセットをベルトに取り付ける。
3) バッテリーカセットのケーブルをブロアーユニットに取り付け、
ロッキングを締め付ける。
4)マルチ型吸収缶のキャップを外し、ブロアーユニットに2個共取り付ける。
5) しっかりとねじ込む。
6) オーバーオール防護服にサスペンダーが取り付けてあることを確認する。
7) アウターズボンを折り返す。
8) 両足共、折り返す。
9) インナーズボンに足を大腿部まで入れて、サスペンダーを肩に掛け長さを
調節する。
10) ブーツを履き、アウターズボンをブーツに覆い被せるように引き下げる。
11) 袖を通してジッパーを引き上げ、フラップのマジックテープを留める。
12) 送気ホースが上になるようにベルトを腰に着ける。ブロアーユニットは右の腰に
配置する。
13) ブロアーユニットの赤いボタンを押してブロアーを起動させる。「ピッピッ」というスタートシグナル音を確認する。
14) フード内のネックシールのジッパーを開き、ネックシールを押し広げて両手で
つかむ。
15) 顎をフードの中のマスクの下部にのせ、フードを前から後ろに動かして被る。
16) ブロアーユニットの送気ホースをフードに取り付け、ロッキングを締め付ける。
17) ネックシールのジッパーを閉じる。
18) フード全面のマジックテープの脇の下をくぐらせて留め直す。
19) インナーグローブを付け、スーツの中に入れ込む。
20) 外側の袖口を引き上げる。
21) アウターグローブを装着し、内側の袖口の上に被せる。
22) 外側の袖口をアウターグローブの上に被せる。
23) 装着完了
演習風景
9)の工程インナーズボンに足を大腿部まで入れて、サスペンダーを肩に掛け長さを調節をしている様子。
19)の工程インナーグローブを付け、スーツの中に入れ込んでいる様子。
装着完了
今中先生(右から3人目)と記念撮影
|