■ 2007年度
ひらめき☆ときめきサイエンス
~ようこそ大学の研究室へ~
鳥インフルエンザなどの感染症から身を守る予防策
開催:平成19年9月30(日)
場所:久留米大学医学部看護学科
主催:久留米大学医学部看護学科
助成:独立行政法人 日本学術振興会
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平成19年9月30日(日)に、久留米大学医学部看護学科にて“鳥インフルエンザなどの感染症から身を守る予防策”のプログラムを開催しました。今年は、インターネットの効果でしょうか、東は、兵庫県、大阪府から、九州の佐賀県、熊本県、福岡県と5つの県からの参加者がありました。9つの中学・高校より、中学生2名、高校生17名、ご父兄教員の引率3名の計22名が参加しました。
まず、企画の意図や科研費の意義および一日のスケジュールについて説明し、以下の内容を実施しました。
【 プログラムおよび実際の様子 】
● 人類の感染症との戦い~有史より鳥インフルエンザまで~ :講義
久留米大学病院の小児科医で感染症専門の津村直幹医師より、古代エジプトの時代の麻疹から将来的な脅威である新型インフルエンザについて説明されました。ペスト、麻疹、SARS、鳥インフルエンザ、新型インフルエンザの説明の中で、WHOのフェーズ分類や世界的規模での感染症のグローバルな捉え方などについても説明されました。
講義の風景
● 粘膜の防御作用とケアのポイント:水の不思議実験
水の表面張力を利用した実験により、皮膚の水分がどのような働きをしているのかを学習してもらいました。
● 感染予防策のポイント:講義と体験実習
感染管理認定看護師の三宅美穂講師による講演を前後に挟みながら、実習体験を通して、感染防御の必要性とその具体的な方法について学習してもらいました。流水による手洗い後、GLITTER BUGを使用しての洗い残しの確認と衛生的手洗いの正しいコツをつかんでもらいました。 N95マスク着用したときのフィットテストの確認方法により、着用の仕方や息がもれない方法などについて学習してもらいました。
N95 マスクの着用練習の風景
SARSなどを予防する際に使用するN95マスクのフィットテスト風景
✿午前中のプログラムが終了し、学科学生・病院および学科スタッフを交えて昼食をとりました。✿
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● 感染症防護具着用後の発語明瞭度、酸素飽和度、表面深部温湿度測定:実験
一類感染症用防護具の装着風景
マスクによる発語明瞭度への影響調査風景
● 感染症と感染防御の捉え方:クイズゲームによる講義
福岡教育大学心理学教授の大坪靖直講師より、感染症と感染防御の捉え方について心理的側面より解説されました。ものの発生頻度にかかわる人間の捉え方を、3つの紙コップを使って2~3人で体験してもらいました。午後からでしたが集中してゲームに取り組んでもらえました。
その後、実際に結核のために隔離入院を余儀なくされた患者様からの聞き取り調査を寸劇にして、スタッフが演じ問題提起しました。全くイメージできない結核という感染症が、日常にこれほど影響することの大変さを感じてもらい、「信じられない」と言う声が聞かれました。
● クッキータイム・フリートーク
「地球規模、日本、あるいは周りの感染症対策で大切なこと」をテーマに、感染症の不思議や知りたいことのQ&Aを行いました。参加者より「感染症や感染症対策に日頃から関心を持つことが大切」などの意見が聞かれました。また、「BCGワクチンの穴は何故18個なの」など回答に窮する質問があり、津村医師より、「一般的にBCGの針痕18個のうち15個以上残っているとよいといわれていますが、針痕が残っていないからといって、必ずしも免疫がないということではありません」などの回答がありました。
● 修了式
最後に「未来博士号」を授与して全プログラムを終了しました。
「未来博士号」授与式の風景
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